『安中散(あんちゅうさん)』の『中』は胴体という意味で、胃腸のあたりをあらわしています。『安中』は、胃を安定させるという意味があります。
機能性ディスペプシア(病院で検査をしても異常は見つからないが、胃腸の調子が悪いことを言います)にも効果があります。機能性ディスペプシアは、ストレスが多い現代社会特有の病気だとも言われています。
『安中散(あんちゅうさん)』に含まれている生薬は、体を温めたり血の巡りをよくすることで、胃や腸を安定させるものが多くなります。胃痛や胃もたれだけではなく、胸やけやお腹が張った感じがする膨満感、吐き気など、胃腸にかかわる様々な症状に対して使われます。体力が少ない方に向いています。
『安中散(あんちゅうさん)』の構成生薬
桂皮(けいひ);内臓を温めます。
延胡索(えんごさく);痙攣(けいれん)をしずめて、痛みを緩和します。胃痛に効果的です。
茴香(ういきょう);胃の機能(運動、分泌、消化)を促進します。
牡蛎(ぼれい);胃酸を中和して、痛みを和らげます。ストレスも緩和します。
縮砂(しゅくしゃ)・良姜(りょうきょう);温めて、痛みを和らげ、吐き気を抑えます。
甘草(かんぞう);急迫症状を緩和します。