「春の雨と薬膳」

こんにちは回徳堂薬膳部部長の加藤美恵です。

皆さん最近雨の日が多いと思いませんか?それもそのはず、今は二十四節気で「穀雨(こくう)」にあたります。「穀雨」とは、穀物を潤す春の雨が降るころを言い、 昔から種まきの好機とされてきました

春に降る雨は、昔から人々の生活の中でとても大切にされてきたため、春に降る雨を表す表現はとても多彩で綺麗なものになっていますね。

例えば

春雨(はるさめ)

春に降る雨を指します。“食べる春雨”は製造工程で細かい穴から麺が落ちていく様子が、春にしとしと降る雨に似ていることが名前の由来なんです。

菜種梅雨(なたねつゆ)

3月中旬頃から4月にかけて、菜の花の咲く頃に降るため「菜種梅雨」と言われています。

催花雨(さいかう)

桜をはじめいろいろな花の開花を催す雨という意味です。

春霖(しゅんりん)

「霖」は長雨を表し、春霖は3月から4月にかけて数日雨が続くことを指します。

春時雨(はるしぐれ)

春に降る時雨のことで、降ったりやんだりを繰り返す雨のことです。

桜雨(さくらあめ)

桜の咲く時期に降る雨のことです。この時期は「花冷え」と言って冷え込むことがあったり、雨風に見舞われたりすることがあります。桜の開花後の雨は「花散らしの雨」と言われます。

「春夕立(はるゆうだち)」

春に降る夕立のことで、「春驟雨(はるしゅうう)」ともいいます。夏に近ずくにつれ積乱雲が発達し、激しい雨が降ることも。

などなど

古典の中の春の雨

薬膳でも春の雨について、古典の中に記述があります。明の時代の姚可成(ようかせい)の「食物本草」の中に、「春雨(食べる方の春雨ではありません!)は脾を補って湿熱を取り除くための中薬を煎じるのに使うと良い」と書かれています。

また、清の時代の「老老恒言」には「春雨で粥を煮ると美味しくできるが、梅雨の水でつくった粥は病気を引き起こす」ともあります。

また、「本草綱目」には「雨水は鹹味で平性無毒で、立春の頃の雨は気の昇発を促進する性質があるため、補中益気、清気上昇の中薬を煎じるのに良い」と書かれています。

 

来年は春の雨の日、雨を楽しむ薬膳を作って過ごしたら楽しそうですよね!

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