【あなたもこれで養生師】薬膳メニューの考え方②

続く猛暑日〜2つの熱中症に注意しよう!

冷房をつけていても熱中症に!?

今、最も注意しなければならない熱中症。熱中症には2タイプあるとご存じでしょうか?

外に出なくても、冷房をつけていても熱中症になってしまう場合があるんです。

2つの熱中症のタイプとは⬇️

陽暑(ようしょ)

暑い場所での長時間作業や外での運動をしていて意識が朦朧として倒れてしまうような、典型的な熱中症のことを陽暑(ようしょ)」と言います。

軽症の場合に限りますが、体を涼しい状態に保ち、水分補給をし、とにかく体温を下げることを最優先にします。その後は適度な休息を取りましょう。

【薬膳のポイント】

身体の熱を冷ます為には、アイスやキンキンに冷えたビールよりも、水分を補い体の熱を冷ます作用のあるトマト、瓜類、ナス、レタスなどの夏野菜がおすすめです。

お腹の調子が悪くなければ寒性のバナナは精神安定に必要なセロトニンの原料となるトリプトファンが含まれているので、余分な熱を冷ますだけでなく気分の安定にも効果が期待できます。

※週刊スピリッツに薬膳がテーマの漫画の連載が始まり、今回はバナナが取り上げられています!

「おいしい薬膳日記」養生の始まり〜バナナでクールダウン

↑クリックすると一話読めます。

陰暑(いんしょ)

室内など涼しい場所にいるのに発症してしまう熱中症のことを「陰暑(いんしょ)」といいます。

睡眠不足だったり、常に冷房が効いた室内にいて汗をかく習慣がない人が発症しやすいと言われています。

微熱や火照り気味なのに汗が出ない、脱力感や頭痛、眩暈、肩こり、下痢など夏風邪のような症状がでます

【薬膳のポイント】

汗をかくことが重要です。生姜やネギなどで体に溜まった冷えや湿を発散させましょう。湯船にゆっくり浸かる事も有効です。

 

とはいえ、

熱中症には気をつけたいけれど楽しみたい夏。

涼しいところで楽しめる事を!」と言って「ホテルのスイーツバイキングで冷たいものをお腹いっぱい食べるぞ」などのプランを考えている方!陰暑にならないよう注意して下さい。

前回の記事で取り上げたA子さんのことを覚えていますか?(←クリックすると前回の記事のページに移ります。)

 

A子さん・・・23歳女子学生、痩せ気味、日頃から疲れやすく、甘いものが好き。梅雨に入ってからなんとなく調子が悪い。今朝起きたらむくみが出ていた。朝ごはんも食べる気がしない。軟便。昨日は友達とスイーツバイキングに行き、アイスやフルーツパフェをたくさん食べた。白っぽい舌今日もクーラが効いた教室で1日過ごすことになる

 

今回はA子さんにはどのような食材を選んだら良いか解説していきたいと思います。

 

A子さんの薬膳メニューを考えよう!②

 

甘いものが無性に食べたくなったら注意

日頃から甘いものが好きなA子さん、無性に甘いものが食べたくなったのでスイーツバイキングに行ったとご本人に聞きました。

「無性に甘いものが食べたくなる」これは

胃腸が弱っているサインと言えます。(甘いものは胃腸が弱っている時に欲することがあるので)

ということで胃腸を元気にするものを選びます。

 (胃腸が元気になる食薬)

米、とうもろこし、長芋、じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、豆類、棗、干し椎茸鶏肉、牛肉、鱈、イワシ、鰹、スズキなど

 

「香りの良い物」は湿気を取る

むくみがあるとのことなので、温める性質があり、香りによって湿を取り除く作用のある芳香化湿類や理気類の食薬を選びます。

(芳香化湿類、理気類の食薬)

陳皮、柑橘類、カルダモン、ジャスミンなど

 

「舌が白っぽい(淡白)」は冷えている

舌は体の不調がサインとなって現れやすい部位です。舌が白っぽく淡い色になっている時は冷えの影響が出ています。

そのため、内臓を温める食薬を選びます。

(温裏類の食薬)

桂皮(シナモン)、フェンネル、山椒など

 

1日中クーラの部屋で過ごす〜陰暑に注意

発汗させ湿を排泄させる食薬を選びましょう。

(辛温解表類)

生姜、ネギ、しそ、茗荷、香菜、ミツバなど

 

さあ、次回はこれらの食薬を使った実際のメニューをご紹介します。

to be continue

 

 

タイトルとURLをコピーしました