【夏のワークショップ「香る生薬と薬膳の話①」〜匂い袋】

なぜ「香り」が今回のテーマなの!?

   「回徳堂薬膳部!」にはモットーがあります。

それは「人生を大切に生きるお手伝いをさせて頂く」ことです。

そのために、日々の生活を楽しむヒントをご提案したいと常々思っていたところ、なんとジトジト蒸し暑くなるこれからの時期が「香り」を楽しむための絶好のタイミングだとわかったのです!

湿気が多く、空気中に水分子が多くあるこの時期は、香りの分子が広がらず通常より密度が濃い状態で存在するため香りを強く感じるそうです。

そこで夏のワークショップは香りを思いっきり楽しんでいただこうという趣旨で企画いたしました。

ぜひこのワークショップで嗅覚を研ぎ澄まし、香りを楽しんでいただけたらと思います。

当日は匂い袋やお香を製作します。まずは以下、匂い袋についてのお話です。

 

有名な匂い袋2選

良く知られている伝統的な匂い袋についてご紹介します。

端午節の匂い袋〜香包(シャンバオ)

去る6月10日は旧暦の5月5日で、中国の端午節でした。「端午節」(たんごせつ)は、「春節」「中秋節」と並ぶ中国三大伝統節句のひとつです。

端午節を境に夏が始まるとされ、季節の変わり目に無病息災や厄除を願い、子供達は「香包」(シャンバオ)と呼ばれる数種類の生薬をつめた匂い袋のようなものを首に掛ける習慣があります。また、女性が男性に無事に暑い夏を過ごして欲しいとの思いで、「香包」(シャンバオ)を贈る習慣もあります。

 

手作り「香包」(シャンバオ)のレシピを上海出身のお客様に教えていただきました。

よかったら参考にしてみて下さいね。

             

              (香りの作用)

  • 丁子          殺菌、防腐効果
  • ヨモギ         リラックス効果、殺菌、防腐効果
  • レモングラス      抗菌消臭効果
  • 藿香          防虫、抗菌、抗真菌薬
  • 金銀花         抗菌作用
  • 菖蒲          神経痛などを和らげる、リラックス効果
  • 白芷          鎮静、鎮痛効果

 

「投薬」の語源になった匂い袋〜訶梨勒(かりろく)

訶梨勒(かりろく)とは茶道や香道で新年や慶事の席に飾られる匂い袋のようなもののことで、中にお香と訶子(かし)の実が入っています。

訶子(かし)の実は病を治す霊力があると尊ばれ、厄除けやお守りとして飾られます。

また、漢方で訶子(かし)の実は整腸作用があるとされています。

 ↑訶子(かし)の実

この訶梨勒(かりろく)ですが、お釈迦様の入滅の様子が描かれた図、釈迦涅槃図(しゃかねはんず)に描かれているのです。

この絵には入滅を迎えるお釈迦様を取り囲んでいる弟子たちと上方にお釈迦様のお母様、摩耶夫人が描かれていいます。

絵の中で摩耶夫人は息子(お釈迦様)の病を治そうと、訶子の実を入れた袋を投げたのですが、残念ながら木の枝に引っかかってしまい、届きませんでした。

薬であった訶子の実を投げた様が、医者様が患者にクスリを与える『投薬』という言葉の元になったと言われています。

オリジナル匂い袋を作ってみましょう!

 

 

今回のワークショップでは漢方薬で良く使われている生薬を使って、オリジナルの匂い袋を作っていただきます。その他、漢方や薬膳のためになる面白いお話もさせて頂きます。

 

 

 

 

余談ですが、お香の世界にも五味(酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味)があるんですよ。ただしこれは生薬の五味とは全く別のものなのでお間違えなく!詳しくはワークショプでお話します。お楽しみに! 

それではみなさんのご参加をお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

 

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