痔ろう(あな痔)

直腸と肛門の境目の歯状線のくぼみから便の細菌が侵入し、肛門の周囲に炎症を起こすことがあります。この炎症が広がり化膿して膿がたまった状態を肛門周囲膿瘍といいます。これが痔ろうの前段階です。

たまった膿はお尻の筋肉を貫通して、肛門近くの皮膚や直腸粘膜に破れ出ます。そのあとに膿の管が形成されます。この状態を痔ろうといいます。いったん管ができるとまた細菌に感染し、膿が出るという状態を繰り返します。

最大の原因は下痢です。便が水っぽいと細菌が歯状線のくぼみに入りやすく、感染を起こしやすくなります。

◎西洋医学での治療

症状が軽いうちは、痛み止めや出血・腫れを抑える坐薬や注入軟膏が使われます。他にも、注射や手術などがあります。肛門周囲膿瘍の段階であれば、肛門周囲の皮膚、あるいは肛門内の粘膜を少し切開して膿を出します。痔ろうは、手術になります。

◎痔ろう(あな痔)を改善する生活習慣

予防のためには下痢を引き起こす暴飲暴食を避け、アルコールを控えたり、下痢や便秘をしないように腸内環境を良くしていくことも大切になっていきます。

◎東洋医学での痔ろう(あな痔)の考え方

東洋医学では、病気が進行していくまでに時間のかかりますので、その分、治癒にも時間がかかります。免疫を上げたり、膿を排膿する漢方薬を考えていきます。

痔ろう(あな痔)によく使われる漢方薬

①千金内托散(センキンナイタクサン)、②托裏消毒散(タクリショウドクサン)などです。

お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。