漢方治療で考える場合は

頭痛

慢性頭痛を考える時に痛む場所,痛み方(前頭部、こめかみあたり、後頭部、頭の周囲がしめつけられるなど)、いつから痛いか、どの様な時に痛みが起きるかなどの情報により漢方薬を選択します。

こめかみから耳の後ろにかけて痛む・・・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)や桂枝人参湯(けいしにんじんとう)が多い

首筋から肩にかけて・・・葛根湯または加味方など

頭全体、痛む・・・釣藤散(ちょうとうさん)、七物降下湯(しちもつこうかとう)など

月経に関係して痛む・・・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)逍遥散(しょうようさん)など

他にも眼の奥や目の周辺から痛む、ストレスがあると痛むケースなどいろいろあります。

 

 

「気」「血」「水」の病因も区別していきます。

気の働きは血や水の運行を行っています。気がうっ滞すると浮腫みや血の停滞(お血)になります。水に異常があると同時に気や血の変化を伴います。このように気。血、水は気だけ、血だけ、水だけの病気は少なく、これらが相互に関連して起きてきます。

どこかに重点を置いて「気鬱症」や「お血症」といっています。

気剤としては加味逍遙散や桂枝加桂湯など

血剤としては当帰芍薬散、温経湯、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、川窮茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)、加味逍遙散など

水剤としては五苓散、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、当帰芍薬散など

症例)20代前半 女性(痩せ型)学生

めまいも々あるが、毎朝、頭をしめつけられる頭痛を感じていて、起きるのが辛い。早朝が特に痛む。MRIなどの検査では異常がなかった。月経には関係なく痛む。朝、頭がもやっとして思考能力が落ちる。

漢方薬を服用してから最初の1週間はあまり効果を感じられなかったが2週間目には朝の頭痛が軽くなってきた。時々頭にモヤがかかた感じにはなるが痛くはならない。

2ヶ月後には頭の痛みは気にならない。1日1回で今は服用中です。