広場神経症(広場恐怖症)は公共の場や人ごみ、広い空間などに対する不安や恐怖と特徴としています。
学校や職場で腹痛、下痢などの症状がストレスとして脳にダメージを与えます。特に恐怖感が繰り返し重なると大脳辺縁系(偏桃体や海馬)は過敏になり、ささいな事でも恐怖感を覚えるようになります。パニック発作は突然起こりますが、良く伺うと、実は発作の前、昔に強いストレスを受けていたケースが多くあります。
うつ症状はストレスを耐え抜いてほっとした時になり易いのに対してパニックはストレスを受けている最中になります。
また、「発作が起こるのではないか」「パニックになるのではないか」と言った過剰の心配から自分がコントロールできなくなる恐怖になっていきます。
症状としては動悸、発汗、震え、息苦しい、胸の痛み、胸、咽喉の違和感、めまい、吐き気、しびれなどがあります。
症例:30歳女性
高校時代に満員電車で腹痛がしてパニック状態になった。それ以来電車や車、並ばなくていけない行列が苦手になり
不安で呼吸がしずらい、フラフラになるなどの症状がある。
排便は1日3回、腹痛を伴う事がある。腹痛を伴う日は週に3回くらい。腹痛が収まる時と収まらない時があり、在宅の日は良いが通勤の日には不安な状態で電車に乗れない時もある。
食事は白米とおかず、みそ汁が中心にしている。脂が多い揚げ物は食べない様にしている。
冷たい飲み物でも具合が悪くなる時もあるので摂らないようにしています。
不安を解消するのは漢方薬を「気、血、水」で考える時に「水」の薬方を考える事が多いです。
今回もこちらと腹痛やお腹の張りに良い腸の蠕動運動のを正常化する漢方薬の2剤で服用開始しました。
また、出かける時の不安が残っている時は速効性のあるお腹のドリンクを服用すると良くなるのが判ったので気持ちが楽になった。
2ヶ月後:20%の症状が改善 まだ、不安と腹痛はあるが何となく良い感じがする。
6ヶ月後:排便は1日2回になった。不安な気持ちはあるが必ずあった腹痛は毎回ではなく楽になっている。
1年後:電車には乗れるようになっている。電車で不安になったら降りて次の電車に乗れば良いと考えられる様になり、自分が楽に動けるようになった。辛かった時のフラッシュバックも薄れています。