甲状腺は、首の前方にあります。甲状腺ホルモンをつくる内分泌器官の一つです。甲状腺ホルモンは、代謝を調整します。
甲状腺の機能が更新している=バセドウ病,
甲状腺の機能が低下している=橋本病 になります。
バセドウ病も橋本病も甲状腺ホルモンの分泌が適切な量ではないために、身体の不調があらわれます。
◎バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこります。自己免疫疾患の一つになります。バセドウ病の症状は新陳代謝が活発になり、特に動いていなくても必要以上にエネルギーを消費する状態になります。疲れやすい、動悸・息切れがする、イライラしやすい、興奮しやすくなるなどがあります。
自己免疫疾患について;『免疫』は、外から侵入する異物を排除し、自分を守る身体の仕組みです。なぜか自分自身の細胞やタンパク質を異物として、攻撃する反応が起きます。この状態を自己免疫異常と言います。自己免疫異常による病気を自己免疫疾患と言います。
◎橋本病(慢性甲状腺炎)
バセドウ病と同様に自己免疫疾患の一つになります。甲状腺に慢性の炎症が起こっている状態のことを橋本病と言います。橋本病になり、甲状腺に慢性的な炎症があっても、甲状腺ホルモンの合成自体には異常をきたしていない場合もあります。しかし、炎症があるために甲状腺ホルモンが十分に分泌されなくなっている場合を甲状腺機能低下症と言います。甲状腺機能低下症の状態になると新陳代謝が衰えて、心身の活力が低下します。甲状腺ホルモンの量が少なくなると、活力が低下し、元気ややる気が無くなり、眠気が強くなります。むくみが生じて、胃腸機能が低下します。
◎ヨード(海藻などに多く含まれます)の摂りすぎには注意してください。
バセドウ病(甲状腺機能)方も、橋本病(慢性甲状腺炎)の方もヨードの摂りすぎには注意をしてください。ヨードは甲状腺ホルモンの原料になります。バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の方が摂れば抗甲状腺薬の効き目を悪くします。橋本病(慢性甲状腺炎)の方が摂りすぎれば、甲状腺ホルモンの分泌や合成が悪化します。