口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群、口腔の異常感覚、舌痛症)

口腔内灼熱症候群は、灼熱感やチクチク感、麻痺したような感覚が口全体又は舌だけに起こり、持続的な場合もあれば、間隔的な場合もあります。痛みは安静時に起こりやすく、食事や会話などしているときは痛みを忘れることが多いようです。寝ている間も痛みません。味覚障害や口腔内の乾燥感がある場合もあります。口を湿った状態に保つと、灼熱感の緩和になります。

口腔内灼熱症候群は、閉経後の女性に最も多く発生します。原因は、閉経前後以降の女性に多く見られることから、性ホルモンなどの分泌機能異常、またはストレス、免疫系の異常、脳内伝達物質の異常などが関連しているのではないかと考えられています。

◎西洋医学での治療

口の湿った状態に保ち、痛みを緩和する;人口唾液など。

痛みを和らげる;抗うつ薬または抗不安薬。

◎日常生活での注意点

貧血が関係している場合もあります。新鮮な食材やタンパク質を摂り、栄養バランスを整えるとよいでしょう。

亜鉛の不足が関係している説もありますので、牡蛎、鰻、レバーなど亜鉛を多く含む食材を摂るとよいでしょう。

◎東洋医学での口腔内灼熱症候群(口腔の異常感覚、舌痛症)の考え方

漢方では、熱邪(ねつじゃ;熱による障害)と関係が深いと考えます。熱邪には、2つのタイプがあります。

熱邪の勢いが盛んになって生じる実熱(じつねつ;熱がある状態、炎症など)と、熱を冷ますのに必要な陰液の不足により熱邪が強くなってしまう虚熱(きょねつ;栄養や水分などの体内物質が不足して生じる熱)です。

実熱の場合は、熱邪を冷ますようにして、虚熱の場合は陰液を補うようにします。

口腔内灼熱症候群(口腔の異常感覚、舌痛症)によく使われる漢方薬

①黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、②白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)、③半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)、④麦門冬湯(バクモンドウトウ)、⑤六味丸(ロクミガン)などがあります。

お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。