過換気症候群(過呼吸症候群)とは、精神的・身体的ストレスが強くなったときに、発作的に胸が苦しくなり、早い呼吸を繰り返します。そのため、血中の二酸化炭素濃度が低くなり、頭痛、めまい、手足のしびれ、けいれんなどを引き起こします。
この様な発作時には、紙袋などを口にあて、自分が吐いた息をゆっくり吸うと、血中の二酸化炭素濃度が調節されて症状がおさまります。
過換気症候群(過呼吸症候群)とパニック障害の二つの疾患が重なっている方が多くみられます。過換気症候群(過呼吸症候群)は、強い不安感により、突然、呼吸困難が生じます。過換気が続くと意識障害などがみらっれることもあります。パニック障害は、強い不安感を主とする症状でその病態には呼吸異常が深く関係しています。過換気症候群(過呼吸症候群)とパニック障害は、呼吸困難、動悸など共通する症状が多くあります。
◎西洋医学での考え方
呼吸の指導(横隔膜を使った腹式呼吸、ゆっくりと息を長く吐く呼吸)
不安を和らげる;抗不安薬。
◎東洋医学での過換気症候群(過呼吸症候群)の考え方
漢方では、過換気症候群(過呼吸症候群)が精神的なストレスが関与していることから、精神を安定させる作用をもつ漢方薬を用います。
◎過換気症候群(過呼吸症候群)によく使われる漢方薬
①苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)、②桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)、③半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)、④甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)などがあります。
お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。