下痢

便が軟らかくなり、形がなくなるような排便になることを下痢と言います。原因にはいろいろありますが、おもなものは、細菌、薬物、食品などで腸が炎症を起こした場合です。

◎夏の下痢

夏は、冷たい物の飲食、冷房の効いたところに長い時間いて身体を冷やすことも多いです。

お腹が冷えると、胃腸の血管が収縮し、血流量が減ります。そうすると、胃腸の機能が低下し、食べ物が消化されにくくなります。そのため、お腹を壊しやすくなります。

◎夏の下痢になった時の水分補給と食べ物

下痢のときには、体内の水分と電解質が失われ、脱水症状になりますので、その補給が大切になります。刺激の少ない、温かいものが良いです。たとえば、お味噌汁、リンゴジュース、ほうじ茶、スポーツドリンクなどです。刺激や脂肪が少ない、おかゆ、豆腐、半熟卵、白身魚など消化の良いものがおすすめです。

◎夏の下痢でよく使われる漢方薬

人参湯、半夏瀉心湯や甘草瀉心湯、五苓散、真武湯などがあります。

①人参湯(ニンジントウ)

生薬;人参、白朮、甘草、乾姜)

体質;胃腸が弱く、冷え症た方。クーラーなどで冷えた場合に使われます。

②半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)

生薬;半夏、黄ゴン、乾姜、人参、甘草、大棗、黄連

体質;お腹がごろごろなり、吐き気などがある方。六君子湯も一緒に飲むこともあります。

(甘草瀉心湯は、半夏瀉心湯に甘草を足したものです。お腹ゴロゴロがひどかったり、ストレスが強い場合に使われます。)

③五苓散(ゴレイサン)

生薬;茯苓、猪苓、白朮、沢瀉、桂枝

体質;めまい、頭痛、吐き気などがある方。排便するとスッキリします。

④真武湯(シンブトウ)

生薬;茯苓、白朮、芍薬、附子、生姜

体質;冷え症でめまい、動悸のする方。排便すると、倦怠感があります。

お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。