最近のご相談の中で、風邪を引いた後、咳だけが中々止まらない、痰が出るなどの症状のご相談があります。

秋は肺が乾燥しやすい季節です。肺は乾燥や冷たい風が苦手です。

喉や気管の粘膜も乾燥しやすくなり、そこに病原菌がつくと潤いがあれば痰となって排出されますが乾燥していますと症状が発症しやすくなります。

のどの炎症、鼻と喉の付け根が乾燥してイガイガし、その刺激で咳になる。鼻の粘膜も乾燥すると炎症がおきやすくなりウイルス、花粉やハウスダストなでに反応してきます。それが原因で後鼻漏になり、その刺激で咳が出る。

症状としては

乾性の咳

のどがイガイガする。咳がでる(空咳、または少量の痰がからむ)痰の色は少し黄色い事もあるがコンコンという乾いた咳になります。

痰を出すために咳がでる。むせる咳がでる。

湿性の咳

鼻水(水っぽい)と咳がでる。薄い痰を伴うことが多い。また透明だがネバネバと粘膜にはりつく事もあります。

副鼻腔炎があると後鼻漏が喉から気管支に落ちてきて炎症がおき、咳もでるようになります。

気管支喘息では

精神的因子、アレルギー、自律神経の不調、ホルモンバランス、気圧、気候などの環境因子などがからみ合って原因になっているのでなかなか原因が不明になるケースが多いです。気管支拡張剤や抗アレルギー剤など用いられます。根治はなかなか大変です。

漢方薬では

咳や痰の症状に応じてお選びしていきます。

呼吸の吐く息が大変な状態、また、吸う息がうまく吸えないなどの違いがあります。気管支の攣縮を起こしやすいお身体をひずみ治していくように漢方薬は働いていきます。

汎用処方には麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、五虎湯(ごことう)小青竜湯(しょうせいりゅうとう)甘草麻黄湯(かんぞうまおうとう)神秘湯(しんぴとう)苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)麻黄附子細辛湯(まおうさいしんぶしとう)柴朴湯(さいぼくとう)

東洋医学では呼気(はく力)は肺が関係して、納気(吸気。吸う力)は腎が肺協力して関係していると考えます。長引く咳は補腎剤をあわせて服用すると早く回復します。

腎の納気が低下すると呼吸が浅く深く吸い込む事ができない、息切れ、喘息、呼多く吸が少ないなどの症状がおきてきます。このことから慢性の喘息や呼吸器疾患に補腎剤が使用されます。

身体の潤いを養い、肺を元気にする食材

白きくらげ、なつめ、リンゴ、ほうれん草、にんじん、大豆製品(豆腐、湯葉、おからなど)手羽先肉や豚足などコラーゲンが多い食材、はちみつなどがおススメです。