腸に炎症や潰瘍などの異常がないのに慢性的に腹部の膨満感や腹痛が起こったり、下痢や便秘のなどを繰り返す。ストレスに一過性の腹痛ではなく数か月続くことがあります。これが過敏性腸症候群といわれています。

腸から脳へ、脳から腸への両方の情報伝達系があります。

①脳から腸へと情報を伝達するのは遠心性迷走神経(内臓感覚神経)

②腸から脳へと情報を伝達する求心性迷走神経(副交感神経)

③視床下部から分泌される消化管ホルモン

④腸内フローラ(腸内フローラが産生する多様な代謝物が情報伝達し脳とやりとりをしている)

食事をとらなければ空腹を感じ、食事をとれば満腹を感じます(満腹中枢とよく言われます)。この様に腸の状態を脳に伝える仕組みがあります。

ストレスで腹痛や胃痛

ストレスにより脳の視床下部からホルモンが分泌されて胃や十二指腸を支配している神経に結合して胃や十二指腸の運動を抑制します。それにより消化不良がおきます。その結果胃が痛くなります。(迷走神経系)

人により分泌されるホルモンの受け取りが違いお腹が緩くなる方もいます。(副交感神経系)

朝にストレスを感じると症状が起こりやすい

体内の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンは朝に高濃度になります。朝にストレスを感じると更にホルモンの濃度は高くなり腹痛や下痢の症状が起こりやすくなります。例えば満員電車の中で突然腹痛が起き、途中下車してトイレに駆け込むというのがトラウマになってしますと「今日も満員電車に乗ると、また、突然腹痛が起きるのではないか」と言う不安感が強く感じる様になります。すると脳の中でホルモンが増加し、更に下痢がひどくなります。

この様な症状と漢方薬

脳の視床下部から分泌するホルモンを正常にする様に働きかけ、不安感の軽減をする漢方薬はあります。

トラウマになっている不安感を軽減すると腸の状態も良くっていきます。

また、腸内フローラを良くする補助剤もお勧めしています。