気象病(体調不良とお天気の関係)

天気の変化は、心と体に様々な影響を与えます。天気の影響を受ける病気や症状は『気象病(きしょうびょう)』という総称で呼ばれています。『気象病(きしょうびょう)』の原因は、「気圧」「気温」「湿度」の3つになります。

「気圧」の変化によって生じるおもな初期症状は、めまい、倦怠感、眠気などです。その後に頭痛などの痛みに襲われるのが特徴になります。

「気温」は、暑い場合も寒い場合も、大きな気温の変化により体調を整えることが難しくなります。

「湿度」の場合は、低い時よりも高い時に痛みが出やすくなります。

「気圧」とは、天気や気象の分野では大気圧(大気の圧力)のことを言います。簡単に言えば、空気の重さのことです。

「気圧」が変化すると人間の体はストレスを感じます。それに対応しようとして、自律神経が活発になります。自律神経には交感神経(活動するときに活発にはたらく神経)と副交感神経(リラックスした時に働く神経)があります。この交感神経と副交感神経の調整が上手くいかないと、頭痛やめまい、気分の落ち込みなど、様々な体調不良の原因になります。

「気温」の差が大きいと身体が疲れてしまうのは、それに体を対応させようと、自律神経のうち交感神経(活動するときに活発に働く神経)が優位な状態になり、エネルギーの消費量が増えます。それが、疲労や倦怠感を生じさせることにつながります。「気温」の差が大きくて、体が疲れてしまうことを『寒暖差疲労(かんだんさひろう)』と言います。

「湿度」が高くなると、関節リウマチが悪化します。はっきりとした原因はわかりませんが、天気と関節リウマチの痛みには相関関係があります。湿気の多い場所に行かない、室内では除湿器を活用するなど対策ができます。

東洋医学での自律神経失調症の考え方

漢方では、気圧の変化による体調不良を水(気血水の中の水)が深く関係していると考えます。水の滞りを改善していくことを考えます。

◎自律神経失調症でよく使われる漢方薬

①五苓散(ごれいさん)、②苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、③半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などがあります。

お食事では水を多く含む食べ物を控えて、日常の生活では運動をして汗をかくことが良いです。

お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。