今年は暑い夏が続き、毎日、クーラーの中で過ごされていたと思います。気持ちが良いと感じていても知らず知らずの内に冷えは身体の芯に向かって溜まっていきます。
しっかりと湯舟に浸かっていた方でも今、冷えを感じている方がいらしゃいます。
冷えを感じる場所は下半身全体、お腹のあたり、腰などと個々に違います。咳がなかなか止まらない方は肺の冷えが関係しています。
冷え症は末梢の血液循環が悪化と思われていますが漢方薬では気、血、水のすべてに関係して捉えます。
気剤や駆お血剤、利水剤を用いて改善していきます。
血虚(血液が不足している):四物湯(しもつとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、芎帰調血飲(きゅうきちょけついん)、人参当帰芍薬散(にんじんとうきしゃくやくさん)類など
お血(血液の循環が悪い):桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいいちかげん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、通導散(つうどうさん)、折衝飲(せっしょういん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)など
体内に水分の偏在がありその場所だけ冷えを感じる:呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)など
脾虚(胃腸が弱く、胃下垂や胃アトニーがあり新陳代謝機能が低下していてエネルギー不足):帰脾湯(きひとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)真武湯(しんぶとう)など
自律神経のバランスが悪く冷えを感じる:連珠飲(れんじゅいん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、逍遥散(しょうようさん)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、四逆散(しぎゃくさん)など
食養生としては根菜類や体が温めるニンニク、ショウガ、玉ねぎ、ネギ、ニラ、山椒、シナモン、クルミなど