妊娠が確定してほっとしているのもつかの間、次に「つわり」の吐き気が始まります。妊婦さんの50~80%に起こります。胎盤形成が終わるころの14週前後まで続く方が多いですが、なかには出産直前まで気持ちの悪さが続く方がいます。

症状は吐き気、嘔吐、食べ物の好みの変化、食欲不振、体重の減少、頭痛、ねむい、だるい、イライラなどが現れます。

漢方薬は色々な種類があります。頻度の多いのには陽証の「小半夏茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」ですがもう少し体力がなくなりますと陰証の「乾姜人参半夏丸(かんきょうにんじんはんげがん)」も良く使います。

暖かいお湯ですと吐き気が増すのでお水での服用をお勧めしています。

症例1 30代の女性

2回目の出産ですが、第1子の時より「つわり」が激しい。食べ物がのどを通らない、体重が減少してきた。乾姜人参半夏丸を服用していただきましたら嘔吐が楽になり、食欲もとりもどし、無事に出産を迎えられました。

症例2 40代の女性

妊娠3か月で吐き気が著しく、ごはんの臭いもつらい。小半夏加茯苓湯の煎じ薬を冷たくして少しずつ、1日分を6回くらいに分けて服用していただくと数日で少しずつ食べられるようになった。