気温が高くなり体温が上昇すると痒みが辛くなる皮膚病の中に貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)があります。

虫さされや外傷を掻き壊したりして表皮に亀裂ができ、そこから細菌感染を起こし、滲出性の強い丘疹ができます。ひざ下や前腕、胸、腹、背中などのクルミ大の紅斑が生じ、中央は分泌液で湿り、周囲にも小水疱ができます

自家感作性皮膚炎(一種のアレルギー性皮膚炎)

貨幣状湿疹の治療が長引き、浸出液が続き細菌感染が新たにおこったり、やけどや水虫、アトピ性皮膚炎などが急に悪化、化膿するとその病変は原発巣(もととなる病気)となって全身に小水疱を伴った紅斑が多数生じ。膿疱やびらんができてきます。これは化膿菌によって変化した原発巣のタンパク質が抗原となっておこる、自家感作性皮膚炎です。

慢性湿疹

急性湿疹は発赤とほてりが生じ、強い痒みで始まります。小さな水ぶくれや化膿したり、やがてこれらが破れて分泌し、分泌液がげんしょうするとびらんやかさぶたが自然に取れて治っていきます。これらが長引くと皮膚は厚くなり、あるいは丘疹が集まって硬くなっていきます。また、全身が赤くなるよりは茶褐色にどす黒くなります。顔や首の周囲、肘の内側やひざの後ろが象の皮の様に厚くなり、皮が剥がれます。このような症状がみられたときは慢性湿疹です。

東洋医学では

湿疹のできる場所で判断・・・陽面(首筋、肘、手首、背中)

              陰面(肘、ひざの内側、首のシワの部分

①細菌感染からの原因が多いので十味排毒湯(じゅうみはいどくとう)、荊防排毒散(けいぼうはいどくさん)、消風散(しょうふうさん)および加味方が考えられます。湿潤の度合いや痒みの度合いにより加味される薬方は違ってきます。

②湿疹に対しては温清飲(うんせいいいん)や越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などの薬方が加わります。

また、季節により薬方も違ってくることがあります。