睡眠

睡眠時間の最適な長さは人によって異なります。睡眠のよし悪しには長さだけでなく、質も関係しています。また、寝たことに満足しているかどうかも、不眠を考える要素になります。

◎さまざまな睡眠の障害

不眠症
①寝つきが悪い 床についても、なかなか寝付けません(入眠困難)。精神的な緊張、むずむず脚症候群、うつ病などでも見られます。
②夜中に目が覚める いったん眠りに入った後もたびたび目がさめ(中途覚醒)、その後なかなか寝付けません。心配ごとがあるときになどに起こります。また、高齢者にもよく見られる不眠のタイプです。
③朝早く目が覚める 3時、4時に目がさめます(早朝覚醒)。生活のリズムが乱れているときや躁うつ病などでも起こります。
④よく眠った気がしない 時間は足りているはずなのに寝た気がしません(熟眠障害)。眠ることにこだわりが強い人にみられます。

 

◎心配な不眠

2,3日の不眠は誰にでもおこるものです。

気をつけなければいけないのは、2週間以上続く不眠で、食欲が落ちたり気分が落ち込むといった場合は、統合失調症やうつ病などの可能性もあります。

◎東洋医学での不眠の考え方

1日を陰と陽に分けると、昼間が陽で夜間が陰と考えられます。昼間は陽気が盛んになるので意識がはっきりとしています。夜間は陰気が盛んになって意識が安らかに静まり、眠くなります。このように体内での陰陽のバランスが調っていれば、夜が更けると自然に眠くなります。バランスを整えていくことが大切になります。

不眠でよく使われる漢方薬は、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、抑肝散(加陳皮半夏)(よくかんさん(かちんぴはんげ))、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、帰脾湯(きひとう)、温胆湯(おんたんとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などがあります。