解っていた方が良い不妊検査のお話

妊娠希望して2年以上妊娠しない場合を不妊とされています。生理周期により検査項目は違います。ご夫婦お二人で検査するのがいいですね。

女性の場合  低温期に検査をする   

◎ 卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)この二つのバランスが大切

生理周期3日目ではFSH>LH FSHは10以下LHは1.8~7 FSHが基準値より大きいと卵巣の働きが悪いことを意味します。卵の育ち方も悪いと推測できます。 LHが高い場合は卵巣の中に排卵できないで卵胞が残っている可能性があります。

◎ プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)PRL

乳汁分泌が主な作用ですが高プロラクチン血症になるとは脳からのホルモンの分泌パターンにも異常がおきます。卵胞が大きくなり排卵へと結びつくLHサージの誘導にも異常をきたし、排卵障害となる場合がおおくなります。正常の場合でも排卵期から黄体期(高温期)は上昇する傾向があります。また、日内変動もあり睡眠中にも上昇します。ピルやエストロゲン剤、睡眠剤、抗うつ剤の中にもプロラクチンを上昇させるお薬があります。

◎ 男性ホルモン

こちらの数値が基準値より高いと卵胞がなかなか育ちにくい、生理がなかなか来ない等の症状になります。高い場合は多嚢胞性卵巣(PCOS)の可能性があります。アスリートの方で体脂肪が少ない時期が長いと高くなる方もいます。適度の体脂肪も必要です。

◎ 卵管造影検査、卵管通水検査

排卵した卵子がちゃんと子宮に到達できるかがわかります。癒着したり、つまっていると卵子が通過できなくなり、妊娠に結びつかなくなります。左右にありますから片方が通過できなくってももう片方が良好なら問題ないようです。また、東洋医学的にみますと卵管の弾力を増す漢方薬の服用で受精されているケースもあります。

排卵期に受ける検査

◎ 子宮頸管粘液検査

排卵時の卵の白味の様な伸びるオリモノが子宮頸管粘液です。これは精子が子宮、卵管へと進みやすくするためには量も大切になります。漢方薬で身体が冷えや貧血の改善をお勧めします。また、栄養のバランスに気をつけましょう。

◎ ヒューナー検査

排卵日頃に性交をし、3~12時間後に病院で頸管粘液をとり、その中で動いている精子の数を確認します。数回行って結果が悪い場合は①精子に異常がある。②頸管粘液に問題がある。③女性に抗精子抗体がるなどが考えられます。

◎ ホルモン検査

卵胞ホルモン(エストラジオール)E2と記載されています。黄体化ホルモン(LH)、血液で両方の量を検査し排卵日の予測ができます。E2は卵胞が大きく育つと150~200と上昇します。LHが沢山分泌されるLHサージになり排卵へと進みます。

高温期に受ける検査

◎ 黄体ホルモン検査

血液検査により高温期の黄体ホルモン量を検査します。分泌量が少ないと黄体機能不全となります。黄体ホルモンは子宮内膜を成熟させて受精卵の着床を助けます。分泌量が少なかったり働き方が悪いと受精卵が着床できないことがあります。

卵胞刺激ホルモン(FSH) 低温期 下垂体ホルモン 高い値;卵巣機能低下            低い値;視床下部か下垂体の機能低下
黄体化ホルモン(LH) 低温期 下垂体ホルモン 高い値;多嚢胞性卵巣の可能性がある     低い値;視床下部か下垂体の機能低下
プロラクチン(PRL) 低温期排卵期 下垂体ホルモン 高い値;排卵の異常、黄体機能低下、甲状腺機能低下症、多嚢胞性卵巣など          
卵胞ホルモン(エストロゲン)E2 排卵期 女性ホルモン 低い値;卵巣機能の低下
黄体ホルモン(プロゲストロン)P4 高温期 女性ホルモン 低い値;黄体機能不全
テストステロン 低温期 男性ホルモン 高い値;多嚢胞性卵巣の可能性