耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)

耳管は中耳腔の換気をしています。中耳と外界の圧力同じにして、分泌液を排泄する働きがあります。その働きが悪くなったり、耳管の中が狭くなったりする状態です。

鼓膜が内側にへこんで振動が悪くなり、耳がつまった感じがしたり、軽い難聴おきてきます。自分の声が強く響いて聞こえる事があります。

原因;鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎などで耳管の内側の粘膜が腫れて、耳管の内腔が狭くなり症状があらわれます。

西洋医学的治療:原因となっている病気の治療と耳管に空気を通す。

東洋医学的考え方:風邪が治った後やストレスが原因の場合には小柴胡湯合香蘇   散や小柴胡湯加桔梗石膏など柴胡剤が使われるケースが多いです。

耳管開放症(じかんかいほうしょう)

ふだん閉じている耳管が,つねに開放状態になり外界と鼓膜の奥にある鼓室との間の空気がいったりきたりします。自分の声が強く響いたり、耳がふさがった感じがしたり、難聴がおこります。 原因:成人では病気などで急に体重が減少し、耳管周囲の脂肪細胞が減少した場合や耳管を閉じる軟骨の弾力が低下した時におこります。原因がわからない事もあります。

西洋医学的治療;耳管粘膜を腫れさせて、耳管の内腔を狭くするためにホウ酸と    サリチル酸の混合粉末の噴霧や耳管咽頭口部にアテロコラーゲンという物質の注入をして治療します。

東洋医学的考え方:ストレスや体重減少により起こる症状なので脾虚や自律神経   のバランスを整える漢方薬が効果的と考えられます。

急性中耳炎

鼻かぜなどに伴って、最近が耳管を経由して中耳に達して炎症を起こす。   また、気圧の変化が刺激になって炎症を起こす(航空性中耳炎)

かぜをひいたときやかぜの症状が一度おさまったのに耳の痛みや発熱が等が起きます。

急性鼻炎があるときに強く鼻をかむと、中耳炎にかかりやすくなります。

西洋医学的治療:鼓膜が赤くなり、ひどい腫れがあるときや耳の痛みが強い時は鼓膜の切開が必要になります。鼓膜を開いて耳だれを取ったあとに抗菌薬を使います。

東洋医学的考え方;軽度の中耳炎の場合は漢方薬でも対応できます。葛根湯や葛根湯加桔梗石膏などが対応できます。慢性期に入った場合で排膿がなかなか止まらない時は小柴胡湯や柴胡桂枝湯または桔梗石膏を加えた処方などの。日頃から虫に刺されやすい方などは他の漢方薬が良い方がいらっしゃいます。

 

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

耳の中に分泌液がたまる病気です。耳の痛みや発熱はありません。耳がつまった感じや軽い難聴があります。4~8歳くらいの子供や高齢者の方に多く見られます。急性中耳炎のあと耳管の炎症がおさまらず、粘膜の腫れが残り、滲出液が中耳にたまっていきます。

西洋医学的治療:抗菌薬、消炎鎮痛薬を服用します。耳管に空気を通す治療や原因となっている鼻や咽喉の病気の治療をします。

東洋医学的な考え方:慢性期に入りなかなか排膿が止まらない。滲出性体質の改善をします。黄耆剤や排膿作用の強い漢方薬を服用します。

養生としては:甘いお菓子や、砂糖の多い食品は控えましょう。

バランスの良い食事(緑黄色野菜やカルシウムなど)にする。

睡眠も十分とり体力をつける。