漢方薬を使う時、古典には○○湯とか○○散とか○○丸とか書いてある場合はこれに沿って使うとエキス剤では効果がなかったのに効果を発揮するケースがあります。
○○湯は生薬の煮汁になります。水に溶ける成分が出ています。これらの煎じ薬は丸剤と比べると薬の吸収される速度が早いので喉を通過してすぐに効果があることもあります。丸剤は薬の溶けるまでに煎じ薬や散剤とは違い時間がかかります。ゆっくり解けることで胃の中の停滞時間も長くなります。散剤は生薬をそのまま粉末にしてそのものを服用します。精油が入っている生薬は水に溶けにくい成分もありますから丸剤が良い処方もあります。生薬の組み合わせで溶けやすくなっている場合もあります。
桂枝茯苓丸の構成生薬は桂枝(けいし)茯苓(ぶくりょう)牡丹皮(ぼたんぴ)桃仁(とうにん)芍薬(しゃくやく)からなります。
精油成分は牡丹皮、桃仁、に含まれ、お血をとる作用と炎症に効果があります。桃仁は油性成分が多い。桂枝にもありますが香りの成分で発散します。煎じ薬でも桂枝の香りは強く感じられます。
症例 30代女性
生理痛がひどく、生理時に血塊もある、生理の前と後に腰痛や腹痛がおきる。排便は異常なし。
桂枝茯苓丸のエキスでは効果がはっきり感じられず丸剤に変更したらこれらの症状が楽になりました。
お店からひと言
お血の原因になる、脂ものや乳製品、砂糖製品や餅菓子などに控える食生活にしましょう。
桂枝茯苓丸、溜まったお血を出す漢方薬です。出方は経血や排便、桂枝の皮膚からの気化で身体の中から抜けていくと思います。桂枝は表の気虚のお薬です、補いすぎると塞がる傾向がみられます。その時は他の生薬を加えで流すと良くなります。