月経困難症(月経痛)

月経がはじまると、下腹部痛や腰痛、頭痛、倦怠感などの症状がみられることがあります。この症状が強く、仕事や家事に支障をきたすような場合を、月経困難症と言います。月経困難症は、大きく分けて2つあります。

⑴器質性月経困難症;子宮や卵巣などの病気によって起こります。

⑵機能性月経困難症;とくに原因となる病気がないのに起こります。

⑴器質性月経困難症

ひどい月経痛で考えられる病気としては、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などが代表的です。

⑵機能性月経困難症

月経痛[生理痛]がひどい場合は、子宮内膜で生成されるプロスタグランディンという痛みの物質の分泌量が多いことが考えられます。プロスタグランディンは子宮を収縮させて経血の排出を促す働きをしています。その分泌量が多すぎると、子宮が強く収縮して、月経痛がひどくなります。また、年齢が若いために子宮や卵巣が未成熟であったり、出産経験がなく子宮頚管が狭いなどの場合や、冷えなどもひどい月経痛[生理痛]の原因になります。

生活で行ったら良いこと夜更かしや偏った食事、ストレスの多い日常生活などは、月経をコントロールしているホルモンのバランスを崩し、月経困難症を悪化させる原因になります。規則正しい生活をして、ストレスをためこまないようにしましょう。

◎西洋医学での治療

原因となる病気がある場合は、その病気を治療します。また、痛みがある場合は、鎮痛薬やピルなどが使われます。

◎東洋医学での考え方

漢方では、痛みは、(気血水の中の)気や血に関係が深いと考え、体内でのものの流れをスムーズにしていきます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)などが使われます。

お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。