多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵がうまく行われないために月経周期が延長したり(希発月経)、無月経になったり、不妊症になったりします。不正性器出血がみられる場合もあります。男性ホルモンの上昇により、にきび、多毛などが現われることもあります。
通常の排卵では、卵巣の表面が破れ、卵胞の中から卵子が放出されます。ですが、卵巣の表面が硬く厚くなっていると、卵子が放出されにくくなり、排卵が難しくなります。そして、排卵が行われないと、卵子が卵巣の中にそのまま残ります。卵巣内に卵子がたくさん残ると多嚢胞性卵巣という状態になります。
多嚢胞性卵巣の状態では排卵に障害が出ることが多く、月経異常や不妊などの状態が起こりやすくなります。これを多嚢胞性卵巣症候群と言います。排卵障害だけでなく、卵巣に送られてくる栄養を多数の卵子で分かち合うので、卵の質が良くないとも言われています。
◎西洋医学での考え方
黄体形成ホルモン(LH)値が高いことが原因の一つと考えられています。卵巣刺激ホルモン(FSH)は正常範囲内で、ホルモンバランスが黄体形成ホルモン(LH)>卵巣刺激ホルモン(FSH)という状態になります。
お薬としては、ホルモン剤で排卵を誘発する方法があります。
◎東洋医学での考え方
ストレスが多いようであればストレスを緩和する漢方、ホルモンの内分泌系や生殖器の機能が低下している場合は発育や生殖をつかさどる腎(五臓;肝心脾肺腎の中の腎)を考えます。卵巣の働きはお血の改善や陰を補う薬方を考えます。体脂肪が少なすぎるのも排卵にはマイナスで背す。
消化吸収や代謝機能が落ちて排卵機能が下がっているようであれば脾を含めた血液循環と精神活動をつかさどる心(五臓;肝心脾肺腎の中の心)を考えます。
ピルの服用期間が長い方で卵巣の働きがもとに戻るのに時間がかかる方がいらっしゃいます。ホルモン剤に対しては個人差があります。服用を中止してなかなか生理がなかなか来ない方、また生理の周期が以前の様に28日から33日位にもどらないから排卵時期が特定できないとご相談にいらっしゃいます。
お一人お一人の方のその時の病態・症状に合わせて、ご提案していきます。是非、ご相談下さい。